足の歪みは油断大敵!あなたの体の歪みの原因はここだった!

今まで肩こり、腰痛を感じたことがある人は多いだろう。その度に治療院などに通いその時は良くなるけれども、また時間が経つと同じような症状が出てくるという人も少なくないはず。こういった症状の場合、病院に行っても重症な場合でない限りは貼り薬などで済まされることが多く、マッサージや整体などに通ったり日々の生活の忙しさもあり症状を抱えたまま過ごしている人が多くいる。さらに色々治療してみたけど改善されず、もう長年続いているから治らないだろうと諦めている人もいるだろう。

厚生労働省が出している2019年 の国民生活基礎調査というものがある。

その中の自覚症状の調査の結果は、男性では「腰痛」が最も高く、次いで「肩こり」、女性では「肩こり」が最も高く、次いで「腰痛」となっている。(図 17)。

厚生労働省HP 2019年 国民生活基礎調査の概況より一部抜粋

 こんなにたくさんの人が悩んでいる肩こりや腰痛だが、原因の一つに体の歪みが考えられる。

 近年は骨盤調整や矯正ベルトなど体の歪みを整えるためのアイテムや治療などが数多く出回っているが歪みは一体どこから始まっているのだろう。

 リハビリテーションの中の考え方の一つに、体の歪みにおいて、足部から歪み、その上の膝、股関節へと上へと波及していくものと、頭部、顎の関節から背骨、骨盤へと下へ波及していくという考え方がある。近年では足部、顎周りのどちらも歪んでおり、双方から歪みが派生している人も増えている。

そもそも足や顎周りの歪みが大きい状態で骨盤や膝や肩の調整をしても、歪みが波及していくスタートの部分が歪んでいるとまた同じように歪んでいきやすいのである。

 足部は体の一番下にあって体を支えている。手やお腹などと違って普段から視界に入る部分でもないので、痛みなどがない限り気にする機会がとても少ない。しかしとても大切で体に影響を与える重要な部分だ。

  足部の中でも特に重要な部分が足首部分の距骨下関節(きょこつかかんせつ)である。

この距骨下関節の歪みは脛や膝、骨盤などを形成している骨の歪みにつながる。また、足部のアーチ形成にも大きく関与しているために、外反母趾や扁平足などにも影響している。

体の歪みについて骨を積み木にしてイメージしてみるとわかりやすい。

積み木をどんどん上に重ねていくとする。その場合、下にある土台となる積み木が傾いているとその上に乗せる積み木もさらに傾けて乗せなければならない。さらにその上に乗せる積み木もバランスを取るために下に合わせてずらしたり傾けたりしながら乗せていくことになる。そうやって体の骨の位置えると歪んだ体がイメージしやすい。

 骨の歪みのイメージができたら次は筋肉を考えてみよう。

筋肉は骨の周りについており、骨を支えたり動かしたりしている。そのため、骨の歪みが強いと少しの揺れや傾きでも崩れてしまいやすいので、太く大きな筋肉が必要になる。しかし歪みの少ない状態では、少ない筋肉でも安定することが可能になる。また歪みの大きさによって体を支えるために使うパワーも少なくて済むので疲れにくさにもつながる。

さらに、単純に体を動かそうとした場合でも、歪みが大きいとバランスを取るため崩れないように筋肉で固めて安定させてから動かさなければならないため、動きに鈍さを感じたりすることもあるだろう。また、外部からの予期せぬ刺激が入ったりした場合は、崩れ方を予測できずに支えが間に合わず筋肉や靭帯を痛めることも増える可能性が高くなる。

体幹が大事と言われることも多いが、体幹の位置、骨盤の位置をいい位置に持っていくのも、立ったり、歩いたりしている状態では、土台となる足の状態がとても影響している。 

なので、体幹トレーニングや骨盤調整など行う際は、足のケアやトレーニングも一緒に行うことで、より効果を上げることになる。

土台となる足の骨は片足で26個、両足で52個と体の割合に対してとても多い。それほど緻密で機能性がとても高いのである。この足部の骨集団をなるべく良い位置で機能的に動かせることで、あなたの体が楽に動き、また体の歪みを整えていくポイントなのだ。

次回は自宅で簡単にできる、足を整えるためのセルフケアをご紹介していきます。

理学療法士 中山郁美 【公式サイト】ヘルスケアデザインI(アイ) https://ikustyle.com